右手が不便日記4日目
昨日は痛み止めを寝る前に飲んだからか目が覚めることもなくよく眠れた。
巻いてあるギブスが緩んできた。
ギブスは腕の下半分が石膏(?)の固いやつをあてて、それを包帯でぐるぐる巻いてある。
緩んできたから肘の曲がっている部分がズレて収まりが悪い。
来週の通院までこの状態で過ごすことも考えたけどどうにかなるならどうにかしたい。
医療関係者の身内に相談したら巻き直してくれるとのことでお願いした。
包帯を外すと肌の色が見たことのない色に変色していた。
病院に行った時は痛すぎて何が起こっているのかわからずによく見ることができなかったけど、肘の内側が絵の具をパレットの上で赤、黒、紫を適当に混ぜたような色になっていた。
無意識のうちに体に知らないアザができることが多かったけど、この色のアザは自分の体では未だ見たことがない。
どどめ色と言う色の名前が頭に浮かんだので調べた。
どどめ色(ドドメ色、土留色)とは、その名前は知られているが正確な定義のない色。方言では桑の実、また青ざめた唇の色や、打撲などによる青アザの表現に用いられ、赤紫から青紫、黒紫を指す[1]。英語では桑の実の色(マルベリーパープル)はラベンダー色に似た色を指す。
桑の実を利用した食品や染めものに言われることもある。
まさにこの色。
マルベリーパープルというとお洒落だなと思った。
誰に説明するでもないけど「いま私の右肘はマルベリーパープルの色なんです。」
もし右ひじの怪我に触れられたらそう答えようと思った。
今日の朝、洗濯物を干そうと腕を上げたら普通に上げることができた。
2段階で上げていた昨日に比べたら大きな進化だ。
己の回復力にびっくりする。
しかし相変わらず引戸の開け閉めはできないし蛇口の水洗を上げることはできない。
散歩に出ようと思ったのだけど私は負傷によって寺の奉仕作業を免れた身だということを思い出しだ。
怪我の為に奉仕作業を免れたので陽気に外を歩いて見つかったらヘイトを買ってしまうかもしれないので、とりあえず午前中の散歩はやめておいた。
昼ごはんに豚バラとキノコを入れたそばを作った。
包丁はゆっくりなら使える。
ネギとキノコは切れた。
うっかり水洗の蛇口の上げ下ろしを右手で行い言葉にならない叫びがでた。
痛さよりも表すことのできない気持ち悪さが肘にある。
家にある食糧が尽きたら片道30分ほどのスーパーまで歩いていかなければならないことを考えると憂鬱な気持ちになってきた。
生鮮食品を30分かけて持ち歩いて大丈夫なのだろうかというのと重たいものを運ぶことに対しての体力的な不安がある。
田舎なので仕方がない。